マーヴィンミンスキー教授にお会いしました

sfc学部生時代御世話になった古川康一研究室のMLでmarvin minskyの講演会情報が流れてきたので参加しました*1
内容についての一般的な話は下の方におまけとして付けておくとして、なんといっても私がいちばーん引っ掛かったのは、「ポップミュージックは全く進化していない」という、音楽カルチャーへのご意見でした。曰く:


・音を構成する要因間にネットワークが無い。たとえばドラムというエージェントはリズムを産み出す機能を果たそうとしてはいるが、メロディーを産む機能を持つエージェントたとえばピアノとの密接な関係性が無い。それぞれが独立している
・jazzはまだ良い方だ。かつて良い時期があった。Dizzy Gillespieやmonkは会ったこともあって面白いヤツらだった。でも彼ら巨人達の後jazzは発展してない。hip hop等に派生してるかも知れないが無意味なlyric等に溺れてるだけ
・世の中4 beat(多分四拍子のことだろう?)ばかりじゃないか。そんなのおかしいだろう
・最高なのは19世紀のオーケストラルミュージック、beethoven等だ。音の1つ1つが機能していて、なおかつ幾重にも合わさる他の音との関係性が明らかだ
先生ご本人に懇親会にて改めて質問しましたが、明確なお答えは頂けなかった

・音楽が取り扱う問題の大きさが違うのかも知れない
・音楽についても文章を書いており、http://web.media.mit.edu/~minsky/ で取得できるよ (←どれだろ?)
私の理解力も足らないので完全に氏のお考えを把握できてないし、いまとっても眠いので切り上げたいので簡単にメモしておく程度にしますが、とっても衝撃を受けています。少なくとも同意せざるを得ない内容を多分に含んでるご発言だ
原理や基礎に立ち返れということをずっとおっしゃっておられたことと重なって、流行りのpopular musicの浅薄さを真っ向否定されてるんだなと思った。
私達も普段から(特に日本の音楽の)浅さについては考えざるを得ない状況にあると思いますが、でも懐古主義一辺倒なひと(年配の方に多いですが)の意見も嫌いです。だから、とっても悩み始めました
眠いのでまた改めます





以下は一般的なメモ〜

もともと私の前職時代のマッドなプロダクトデザイナ氏が「ミンスキーを読め」と教えてくれたのがキッカケでしたが、事前の知識は、MITに人工知能ラボを作ったひと、学生時代の指導教官はアノvon neumanだった、という表層的なものです。そして「society of mind/心の社会」を買って100/500頁くらい読んでから出席しました


http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai/sympo/special-20050930.html
AIの学生・若手研究者向けの講演会


総合的なlogはtechnoratiで検索する限り今んとこ以下2件のみでした。いづれにせよ静岡大学の方かどなたかが書いて下さるでしょう。一言だけ感想を言うならば、若手向け、ということで内容は、私のようにこれからその世界に(30過ぎてなお改めて再度)入って行こうとしてる者にとってもencouragingでしたギャグが随所にあったり、印象に残った発言だけを箇条書きます

・avoid { practical project, 本が既に出てる講義, 移ろいの速い分野の研究 }
・数学をやれ。数学はpermanentだ
・脳はマイクロソフトのソフトウェアのようなものだ - 機能は分かるが中身がどう構成されどう動いているのかはサパーリ解らん

*1:いつもヒソーカに拝見してるcmu留学中の嶋さんのblogにもありました:http://www.ringolab.com/note/shima/archives/003823.html