D.A.ノーマン氏来日中

ここんとこヒュウマンインタフェイス(HI)開発について思い悩んでいまして、なんか特にブレイクスルーを今後起こせる分野だと中々思えなくって、でもとっても興味惹かれる領域なんですね。ソフトウェア技術のビット臭さと人間の血生臭さ両方が絡んでるかんね。誰にでも良さが解り易い分野じゃけんね。ミーハーからドクター迄。勤め先の会社はお世辞にもこの分野に強いと思います。要件/課題に対するデザイナーボス達の解決案の言葉は、いつも想像を上回る。凄いナアと思います。やっぱ日々アゲアゲで仕事してる人達は違う
なんで思い悩んでるのか?って多分世の中に現存する技術的の壁が来ちゃってると感じるからだと思う。キーinputと結果のoutputの両方で、壁にぶち当たってんじゃないすかね。んでその壁を乗り越えんべく一番高みに居るのはプロダクトデザイナーとかHIの研究者とかじゃなくって、検索エンジン開発の人達だと私は思っています
ところで、ユーザーインタフェイスを学問的にやってる人々に対しては多少疑問アリ。広く遍く分析を丁寧にするのは結構だけどね、この分野で面白いのは「分析」じゃなくって、デザボス達みたいな「解決法」なのだな。アンタはどう面白い解決策を提示できる可能性があんだよ?って部分ですな。
ちなみにこの、分析はできるけど解決策は出さない、っていう傾向は、ビジネスピーポー全般に言えるハナシなのかも知れない、と訝っておりまして、解決策を出せる人がデキル人なのでは???と思うのであります。喫煙室の隅っこや、夜の呑み屋でウダウダ現状分析に終始してるくらいなら、まだ雨の高円寺でヒッキー達を踏み潰されないように何十匹も路側に追いやってる方が数億倍マシ
話が素敵な方向に逸れかけましたが、HIって何をどう学問的にやってるのかは常に疑問で、論文など読んでみても或る人は認知心理学だったり或る人は確率統計だったり或る人はテスティングに基づくコンサルティングだったりして、「これがHI学だ」みたいなのって未だ出会って無い気がするなあ。とはいえ増井俊之氏の成果物には毎度毎度感動する。増井さんが以前居ていま歴本純一氏がひっぱるsony cslはもっとも、権利化などのために真剣なアイディアについては外に出さないみたいだし、国内の情報処理学会よりも海外のsigcaiとかsiggraphとかじゃないと本気出さないとも聞くし、とにかく我々に見えてるモノはある種「枯れ」てるみたいですね。なんにせよHI学ってのは定型的な論文スタイルとかがあるんじゃなくって、実際にHIを提示することなのかな
てなわけでモヤモヤしてるんで、やっぱ巨匠に頼ってみるかな、ってんで明日母校に講演しに来られるノーマン氏、拝見しに行くついでに読んでみた。

人を賢くする道具―ソフト・テクノロジーの心理学 (新曜社認知科学選書)

人を賢くする道具―ソフト・テクノロジーの心理学 (新曜社認知科学選書)

人間の情報の得方を「体験的」と「内省的」と分けていて、どっちがbetterってなわけじゃあないが「内省」をもっと進めんと人は頭良くなんねーぞ、ということ。ひじょーに共感するところであります。だからといって道具が人を賢くするわけじゃなくって、道具によって変わるのはタスクであり、タスクに内省的に関わることにより人は良くなるんだ、という感じですか。そういう視点でHIを考案することは、まったく考え付きもしませんでしたな