空虚 or 活劇? 駅伝ブーム


http://www.ntv.co.jp/channel/asx/kukan04.asx
亡き父母に捧げる者
世界に羽ばたこうとする者
恩返しをしようとする者
生きた証を掴もうとする者
己の限界に挑もうとする者
,
様々な想いが, 箱根路を駆けていきます
...
...
オリンピックが夢です!
オリンピックが夢です!
最後の箱根駅伝, 駒澤大学 藤田敦史!
上記は日本テレビが公開してる, 箱根駅伝第四区間区間記録の藤田選手(現富士通)の録画の一節を文字に起こしたものです
大学四年間のすべてを走ることに賭ける藤田はじめ選手達の一途な気持ちが, NTV他関係者さんの努力の甲斐あって茶の間に伝わり, ここ数年の箱根駅伝人気を支えてるんだなあ

とは言え箱根駅伝は批判の対象にもよくされていますが, 最近の人気の過熱っぷりには私も疑問があります. 批判の根拠(現象)は以下:

  1. 日本男子長距離(5千, 1万, 3千障害)は世界でまったく通用していない
  2. 世界で活躍する日本男子マラソン選手のうち半数程度しか箱根経験者が居ない*1
  3. 上記の通り世界に通用する長距離ランナーを育てれてないのに, 本屋に行くと陸上競技総合誌は置いてなくて箱根関連ばっかり売っている

以下捕捉.
1について
世界選手権と五輪はもとより, アジア大会ですらメダル取ってねーぞ日本男子! (ここ15年での世界大会入賞はsydney 五輪の高岡寿成選手の1万m7位, の1度のみ))
2について
有力な高校生選手の大半が, 箱根駅伝出場資格のある関東の大学に進学することを考えると, 比率は低い
3について
てなわけで駅伝で盛り上がってるのは世界とのレベル差って観点から見たら日本人の独り善がりの感ありだよ! 陸上競技のうちの1競技ってことで, もっと広い目で見ようよ! それとも駅伝は陸上競技とは別かい??
ちなみに日本の陸上競技者全体を見渡すと, 来年の世界選手権大阪大会で優勝を狙えるS級, メダルを狙えるA級, 入賞を狙えるB級として下にリストします*2(敬略):
S級: 室伏広治, お家芸・女子マラソン(土佐礼子etc.)
A級: 為末大, 末續慎吾,
B級: 澤野大地, 池田久美子, 成迫健児, 福士加代子, 男子4x100mR
ホレ. 箱根経験者は皆無です。まあマラソンは選考会回数が限られるため, 一度の試合にコンディションを合わせる必要があるから常連という人が生まれにくいというのはあるのですが*3.



てわけで冒頭のNTV の引用した話に戻るけど,
世界に通用する選手の育成ということは, 一部のトップランナーと陸連が考えることであって,
それ以外のランナーや, テレビ局他商売でやってる人達にとっては,
長い人生の中の大学生というone period を"走ること"に捧げる男達とそれに関係する人達の, 人間ドラマなのだな.
それはそれでとても壮大な.
今まで一ファンとして, TOPランナーおよびヒイキである順天堂大学ばかりに目が行ってたけど,
これからはそうでも無いかも知んないです
そういう意味でTOP選手である佐藤悠基くんや今井正人くん達には"そういう走り"をして欲しい
一方で, 例えば前回覇者亜大のイケメン主将岡田晃くんみたいな, 卒業後はあっさり第一線を退いて, 違う世界での仕事に打込む人達の想いってのも, 尊いよね

なんのかんの言っても, 前回大会はエチオピアに行っててTV観れなかったのですが, 今回はしっかり,
順天堂の久々の勝利の瞬間を見届けます

*1:具体値を出してなくて申し訳ない

*2:私的なリストなのでご容赦を。。

*3:先日敗れたQちゃんは必ず復活し, 北京五輪代表になる, と信じます