freestyle : the art of rhyme (url)

日常生活で命令形で、人に何かをやってくれとお願いすることって、会社員だと意外に無いもんです。どんな場合でも、上司や先輩には勿論、後輩にだってモノを頼む時は敬語なことが多い*1。敬語の反復によって冗長な日本語になりがちで、ex.「A澤さんにご検討頂けますよう、お願いして頂いて宜しいでしょうか?」とか*2なっちゃうんですが、敬語ならではのグルーヴっつーものもあるにはあって、慣れちまえば楽。多くの会社員はこの敬語が織り成す惰性の美に耽っているのらきっと。電話で一言目に「お疲れでーす」って言っちゃうこととか、必ず文末に「お願いします」付けちゃうとか。学生時代はこれがとってもキモく映ったし今も必要以上にリーマン敬語に頼らんようには気を付けてますが。んでライヴのMCなんかでこういう文法使って喋ってるのを耳にすると途端にモノスゴイ違和感があります。ステージ上がってる時くらいモードを切り替える頭を持てんもんかね、せめてフロント執るような人は?
上映の後にgocciさんとおっしゃるfrom 茨城のfreestylerのトークショウがあるので今日を選んで観ましたが、
観て良かった。フリースタイルとは名ばかりの、事前に決め決めなフォーマットに、決め決めな語彙を当てはめてく発話。間断無く言葉を発することができることは凄いことだ。でも、言ってることにリアリティ、「たった今」感などが全く感じられない。まあ殆どのfreestylerと自称する方々の現状でしょう。こういうモノを観た後で際立つのはやはりタモリ氏をはじめお笑い芸人さんは凄いよねってことですね。場に即したことを言える能力
そして、命令形。お客さんに向かって命令する「手を上げろ」「オレが○○だ」「解ったか?」ってのはやはりキモい。映画本編の中に登場するrhyme battlersが命令形でrapして良いのは、rapper同士でお互いに言い合ってるからであって、お客さんに向かって命令しているわけでは無い
というか"put ur hands up!" "make some noise"って言われてもそこまで義務を感じないけど、「手を挙げろ」「騒げーっ」って言われると押し付けがまし感果汁100%。私的には"let's"もしくは今の流行風に"shall we"を付けたような和訳をして頂き「手を挙げようぜー」「騒ごうぜー」「掴もうぜー」「ダンス、しませんかあー?」ぐらいにすることを、語感センスの足りない日本人リリシストにはお勧めしたいです。現代口語が乱れてるとか言いたい気はさらっさらないけど、でも日本語の美意識って何だろう?くらいは考えながらrapして欲しいし、して行きたいもんだヨ
前置きが長くなりましたが映画自体は、フリースタイルの凄まじさを見せ付けられる80分間でした。mos-defって可愛いすね。私さいきん毎朝出勤前はbobbitoのstevie wonder mixでアガってから家を出ますが、初めて観た彼の眼は完全にイッちゃってた

*1:組織風土によって全然違うところなんでしょうけど

*2:ミョーに「頂く」が多いとかに