喝采 - ちあきなおみ

この72年のレコ大曲を私は昨年末、勝手に持ち出した勤め先の社長のコレクションで初めて聴きました。
おそらく当時散々語り尽くされたんでしょう、ネットではもはやこの曲について真正面から論じるサイトは見当たらず。でも私にとっては非常に新しく、刺激的。なにせ私が産まれる前にブームが起こった曲ですから、ここで今一度曲の内容を勝手に推測し、ありきたりな評論をすることをお許しを*1

69年にデビューして以来、既にスターシンガーとしてそれなりに地位を確立していたちあきさんに、突然育った地の知人(親御さんか?)の訃報が届く。毎日恋だ愛だを語ることを生業にしている所に舞い込んだリアルな出来事。人前でアクトするのがミッションである芸能人だから、プライベートでそんなことがあったからといって恋のうたをうたわないわけにはいかない。そんな葛藤を激淡々とメロディー化している
大きかれ小さかれ、芸能人だろうがなかろうが、大抵の人が何らかの立場ってもんを持ってるもので、こういう葛藤はとても共感できるものだと思う。
私は特に、人気歌手として生きてる自分を僭越だなあ、と思ってそうだなあと感じました。自分はこうして成功し、一方で支えてきてくれた地元の人は脚光を浴びずに死んでいく。
私は大学に通うようになって以来、似た感情を地元の親に抱いています。親のお金で大学行かせてもらい、帰郷した時には大学で生半可にやってる学業や音楽のこと等を得意げに語って聞かす。そしていざ神奈川に帰っている途中にはいつも毎回、空虚な気持ちになる。なんとか将来は親に報いなきゃいけんよ、て。最近こそ親族の祝い事の時にうたを披露出来たり、実家に届くくらいステータスのある音楽の仕事を幾つかやれたりしてるのを喜んでもらってるみたいで、地道にやって来て良かったし、ただの自己満足の道楽以上の意味を見出すことが出来て助かった;;って感じ。これからも続けようと思えます。
歌詞はココから
プロフィールはココから
残念ながら全く共感できなかったミスチルから一夜明け、ナオサラ対比が強烈でした

*1:もしかしてネット上ではこの曲についてこういうの初だったり?