ランナーオタクとしてのエチオピア記 第114巻


丸々4日間しか居なかったエチオピア滞在期間は色々な刺激がありましたが、自分の将来に直接的に関係しそうだなと思ったのは、ランナーやその周辺の人達との出会いでした。
エチオピアの印象って、
40歳以下の人だと96年アトランタ五輪女子マラソン優勝のfatuma roba/ファトゥマ・ロバさんが「ロバさん」という日本語としてはポップ過ぎる名前のために世間を一瞬賑わせた
40歳以上の方だと東京五輪に裸足で走って優勝したアベベ・ビキラ。或いは80年代のlive aidの時に飢餓の様子が報じられた時の極貧な映像
くらいでしょうかね
陸上競技ファンにとっては、五輪の男子1万mは3連覇中、アテネの男子1万m金・銀、2005年ヘルシンキ世界選手権は女子5,000mは1位-4位まで独占等、トラックを中心に長距離種目は強豪中の強豪国で、サッカーで言えばブラジル、野球で言えばUS、jazzでいえばnew orleans、演歌で言えば青森、お笑いで言えば吉本、みたいないわば聖地的存在です。タクシーの運ちゃんもカフェの店員も、JICAの仕事で旦那さまと一緒に現地に住んでいる陸上競技に興味無さそうな日本人女性も、皆が「皇帝」Haile Gebrselassie/ハイレ・ゲブレセラシエやKenenisa Bekele/ケネニーサ・ベケレ、derartu tulu/デラルツ・ツルを親愛の情を込めてfirst nameで彼や彼女らの名を呼ぶ。街の至る所に彼らがキャラクタを勤めるUNICEF等の大看板がある。ランナーが国民的スターな国。
だもんで、私も折角だからジョギングしました。首都addis ababa/アディスアベバの標高は2,400m、富士山で言えばちょうど五号目に同じ。ちょっと走れば慣れてない人が酸欠になるのは た易い高ささ。
addisのど真ん中にmeskel square/マスケルスクエアという広場があり、市内のどこに行くにしても通過せずには行けないようなど真ん中。日本で言えば皇居か外苑か、って感じの広場で、よくランナーが練習してたので私もそこを走りました。ちなみに国を代表するような選手のインタヴュ等の記事にはよく、標高3,000mの近隣のウントット山が練習場だ、とかありますね。かの山に対し私はあたかも仙人が住むような霞たなびく妖しいイメージを勝手に持っていますが、今回は残念ながら目にするのをあきらめタ
マスケルスクェアでは幾つかチームで練習しているのを目にしました。もし日本なら、駅伝チームが隊列組んでジョギングしてるのを見るのは国民性もあって普通に感じるけど、個人種目の印象が強いethiopiaでも同じ練習法だったのは意外。イタリアや米国をはじめ所謂「西欧」圏に部類する国々にも長距離走が強い人は一杯いますが、隊列組んで練習、しないんじゃないのかねー、見たこと無いから知らんのだけど。そして、直後に知ったのですがその内の1チームはナショナルチーム予備軍だったようです。やっぱ西欧よりも日本人に近いメンタリティがある国なのかも。個人主義か否か、とかいう高度な社会生活の定義をするまで成熟していないのかも知れない、とか書いたら侮辱だろうか。
走りながら彼等の練習を観てましたが、確かに速い、速いんだけど、世界のトップクラスの選手達がその日のその場には居なかったのかも知れないなあと思いました。というのは、日本の練習とあまりレベルが違わないのでは?と感じたから。陸上男子において準一流クラスの選手層、1万mでいえば28分中盤から29分台くらいの選手数、はjapanは間違いなく世界最多でしょうから。しかしトラックのlong distanceで世界一を争える選手は残念ながら過去日本男子では出ていない。だからこそ世界のTOP選手の練習を間近で見たかったなあ、と思うんですが、一方では、今目の前で走ってるランナー達は、後の世界のTOP予備軍である、と見ることも出来るので、やっぱり良い経験でした
私がjoggin中に、練習を監督してたナショナルチームの1st divisonのコーチに、こっち来い、と呼ばれ、ストレッチや走行フォームの矯正エクササイズ等をさせられ(教えてください)ました。彼はコーチングの合間だったので、あまりちゃんと話は出来なかった。しかし私は、自分は市民ランナーだし日本陸連とも特に繋がりの無い、単なるファンだけれども将来何らかの形で陸上競技に関わっていきたいし、東アフリカにも関わって行きたい、またエチオピアT&Fメンバーが来日する時には何か手伝いたい、等を伝えることが出来、連絡先を交換できました。残念ながら彼は達筆過ぎて、頂戴したメモ書きに書いてある名前などが読めない…しe-mailはやってないそうんだが手紙はPOBoxで届けることが出来そうだ。そして思いのほか彼が施してくれたトレーニングはhardなものになってしまい、その後昼寝してしまつた。。
突然文章を締めますが、今後の人生を考える上でとっても良い体験でした